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ITOI
作品解説
群馬県太田市
太田市消防本部
太田消防署
1998年3月
代表作の一つです。太田市の安全を守る消防署です。太田市からの要望は「消防署らしくない、消防署を作ってほしい」というものでした。
消防署といえば、いかにもお役所然とした、無機質な建物を想像しませんか? 市民の安全を守る、責任の重い役割ゆえ、機能性を重視した四角い建物になりがちです。
消防署は「市民の心のよりどころ」であると考え、親しみやすさを感じてもらうために、優美な曲線を描くアール状の屋根を採用しました。
初めてこの建物を見た人は、「これが消防署?」と目を疑うかもしれません。
丸みのある優しい屋根のつらなりは、児童館やコンサート会場のようにも見えます。休日になると広場に多くの人が集まり、にぎやかなサーカスが始まりそう、そんな明るく楽しい雰囲気をイメージしました。
「らしくない消防署」であっても、市民には「守ってもらえる安心感」を感じてもらわねばなりません。
赤城山と緑豊かな田園風景を背景に、悠然とそびえたつ塔屋は、アンテナです。現代版「火の見櫓(やぐら)」をイメージしています。消防署の存在を周辺の市民にアピールし、遠くからでも「消防署」をすぐに見つけられるようにしました。
命の危険すら伴う過酷な業務に誠心誠意向き合い、がんばる消防署職員たちが気持ちをひとつにして頑張るためのシンボルでもあります。
(消防署)らしくない消防署へこめた「設計者の思い」を感じ取っていただけましたら幸いです。
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